草履ブログ

草履の天の剥がれ2

「草履の鼻緒と天が溶けてしまった」との修理依頼です ↓

巻きのワイン色のビロードがきれいです ↓

各部分の組み方、接着剤の劣化具合も確かめるため、一旦全部解きます

外からは見えない所に、鼻緒挿げの素晴らしい技が垣間見えました。 ↓

「見えない所に良い仕事をする、それが履き心地に繋がる」良い仕事に出会うとホッとします

天(足を乗せる面)を剝がしますと、シッカリしたウレタン材が入っていました ↓

新しい生地を使い、発砲ウレタンを接着後、天を吊ってシワやよれが出ないように

接着剤を埋め込んで天の貼り替え完了です ↓

台に隙間なく張り合わせます ↓

新しい鼻緒は、白と桔梗鼠の市松はよく合っていますが、前緒を赤に変えて丹頂仕上げに提案します ↓

スッキリ仕上がりました ↓

高級鼻緒には鼻緒の中に通してある芯縄に麻が使われています。

下の画像右上は残った芯縄です

ちょっと余談ですが

麻を肌守りとすることで、古来より魔除け厄除けに効果があると言われます。 ↓

草履の保管は、箱には入れずに風通しを良くして、底からも湿気が入らないように、同梱の木切れを使ってください ↓

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